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2025.10.02EVENTINFORMATION

小さな相談から、次の一歩へ ─ sees table 受付中!

Schedule 2025/10/08,2025/10/25,2025/11/12,2025/11/29,2025/12/10,2025/12/27

「やってみたいことがある」
「でも何から始めたらいいか分からない」
「思っていることをまずは誰かに話してみたい」──

そんな「小さな相談」を持ち寄り、相談者さんの思いをてがかりにしながら、次の一歩を見つけていくのが sees table です。

これまでに3回の相談会を開き、地域の居場所づくり・文化財の活用・生態写真など、さまざまなテーマが持ち寄られました。
どの回も「小さな相談」から始まりましたが、相談者さんの経験や思いを手がかりに語り合うことで、次の一歩のヒントが少しずつ見えてきています。

これまでの相談一覧

ここからは、これまでに持ち寄られた相談を簡単にご紹介します。
気になるテーマがあればぜひあわせてご覧ください。

  1. 子育て・仕事と両立できる新しい居場所づくりとは?
  2. 文化財を“暮らしの中”に活かすには?
  3. 生態写真から、どんな場や出会いが生まれる?

Vol.1:子育て・仕事と両立できる新しい居場所づくりとは?

第一回の相談者さんは鳥取県出身。東京での勤務を経て木曽平沢に移住し、現在は伊那市新山に暮らしの拠点を移されました。

看護師として訪問医療や老健の現場に携わり、対話を大切にしたケアを実践してきた一方で、医療の枠を超えて「人の話を聞き、言葉にすること」にも関心を広げ、ライタースクール修了後は記事執筆の経験も。

「農と森のインキュベーション施設」という言葉に、自分は関わりが薄いのではないかと感じていた中、新しく始まったsees table の案内を見て、「ここなら自分の思いも話せるかもしれない」と感じ、参加してくださいました。

出産を控えた今、医療職としての働き方に加え、地域の中で自分の役割やこれからの活動をどのように形づくっていけるかを模索しています。

やってみたいこと

相談者さんが思い描くのは「まちの保健室」のように誰でも立ち寄れる安心の場。
その場には古本を媒介にした、新山の雰囲気を感じられる空間づくりを取り入れたいという希望もありました。

また、医療の仕事を続けつつ並行してもうひとつの居場所を持つこと、母としての日常を文章やイラストで表現すること、“何者でもないひと”がそのまま存在できる居場所づくりを実践してみたいという思いも語られました。

現時点での悩み

一方で、実現に向けてはさまざまな悩みがあります。

  • 出産・子育てと両立しながら、現実的にどんな働き方ができるか
  • 医療職以外で自分の経験や関心を生かす場があるのか
  • 本屋や場づくりを始めるには、どのような仲間や環境が必要か
  • 「医療・ケア」にとどまらない形で地域とつながる方法をどう見つけるか

話し合いから見えた次の一歩

今回の対話を通じて、いくつかの小さなアクションの方向性が見えてきました。

  • 医療系のライター仕事をクラウドソーシングで探し、実績を積む
  • seesや地域で小さなワークショップや対話の場を試してみる
  • イラストや文章の発信を通じて、仲間や共感を少しずつ広げる

呼びかけたいこと

  • 未満児さんを子育てをしながら働く(活動する)ヒントを知っている方
  • 限られた時間、話をすることで自分を見つけてみたい方
  • 「まちの保健室」や本を介した居場所づくりに関心のある方。

Vol.2:文化財を“暮らしの中”に活かすには?

今回の相談者さんは山梨県南アルプス市に在住で、現在は伊那市内の会社に勤務されています。

地域資源、とりわけ文化財の利活用を通じて、文化財の面白さを知ってもらいたい、地域に暮らす人々の日々の暮らしを豊かにしたいと考え、転職を決意。前職の山梨県庁では、文化財の発掘や、文化財を身近に感じてもらうためのノベルティ企画・各種イベント企画運営などを手がけて来られました。

行政の立場だからこそできる活動もある一方、民間との協働には限界を感じることもあったそうです。

やってみたいこと

相談者さんは、文化財を「守るもの」にとどめるのではなく「暮らしの中に取り入れる」ことを大切にしています。

「文化財をもっと身近に感じてもらいたい。表面的な関わりではなく、その面白さを知ってもらい暮らしを豊かにするような取り組みを広げたい。それが地域の文化財を守ることにも繋がる。」と語ります。

  • 食や商品企画、メニュー開発などを通じて文化財を日常に取り入れること
  • 縄文時代の暮らしから得られる価値観の発信
  • ワークショップや体験会を開き、文化財の敷居を下げて広く知ってもらうこと

これまでにも、縄文土器の模様を用いたカップスリーブやマスキングテープ、老舗和菓子店とのコラボスイーツ、縄文ビール、どんぐりコーヒーなど、ユニークな企画を多数経験されています。

現時点での悩み

一方で、実現に向けては課題もあります。

  • 「どこから手をつけるべきか」「誰に声をかければよいのか」がまだ見えていないこと。
  • 行政や飲食店、メーカーへ提案しても、関心がなければ協力を得にくいこと。

さらに、伊那谷に残る縄文をはじめとした多くの文化財が十分に活かされていないことにも課題を感じています。商品企画やメニュー開発など利活用の可能性は多いと感じつつも、地域に通い始めたばかりでどう動けばよいかが見えずにいます。

話し合いから見えた次の一歩

まずは seesを拠点に小さく動き出してみることも、一つの可能性として挙がりました。

  • ワークショップや体験講座の開催
  • sees camp持ち寄り会での企画
  • 過去の企画経験を活かした試み

呼びかけたいこと

文化財や地域資源に関心のある方、商品企画やカフェとのコラボにアイデアを出してみたい方、ワークショップや体験の場づくりに関わってみたい方は、ぜひご一緒できればうれしいです。

Vol.3:生態写真から、どんな場や出会いが生まれる?

今回の相談者さんは、幼少期から爬虫類や昆虫、樹木など多様な生き物に親しんでこられました。小学生の頃に沖縄で参加した自然ツアーをきっかけに、自然や生き物との関わりに強い関心を持つようになったそうです。

大学では森林生態学を学ぶ傍ら、カメラを手にしたことがきっかけで「生態写真」というアプローチに親和性を感じ、2025年から本格的に撮影活動をスタート。大学演習林を主なフィールドに、生物に触れることなく自然の姿をそのままに切り取る、生態写真ならではの表現に取り組んでいます。

やってみたいこと

相談者さんが目指しているのは、生態写真を通して人と生き物をつなぐこと。

「一人で撮るのも楽しいけれど、同じ関心を持つ人や熟練者とつながりたい。そしていずれは展示会などを企画し、多様な人と自然を共有する場をつくりたい」と語ります。

  • 生態写真を通じて、生き物を自然のままに伝えること
  • 同世代の学生や自然好きの人、経験豊富な写真家とつながること
  • いろいろな人の写真を集めた展示会を開催すること

現時点での悩み

実現に向けては、いくつかの課題もあります。

  • 撮影や表現の技術的な面で、プロや熟練の写真家から学びたい気持ちがあること
  • 作品発表の場づくりをどう進めればよいか、まだイメージが固まっていないこと

話し合いから見えた次の一歩

seesという場を活かしながら、まずは小規模な挑戦から始めてみるアイデアも共有されました。

  • 試しに写真展の企画書をつくってみること
  • 撮影エリアを限定し、「この場所だけでもこんなに多様な生き物がいる」ということを伝える写真展を構想すること
  • 既存の展示会を見学し、運営や雰囲気を学ぶこと

呼びかけたいこと

生態写真や自然写真に関心のある方、写真展やイベントづくりを一緒にしてみたい方、生き物や自然との関わりを写真で表現してみたい方──


まとめ

sees table は、地域に根ざした小さな問いや思いを持ち寄り、仲間やヒントを探していく相談の場です。

アイデアの輪郭がぼんやりしていても大丈夫。むしろ、その曖昧さの中にこそ、次の一歩を見つけるヒントがあります。

これまでの会でも、
「話してみたら意外な視点をもらえた」
「自分の思いが整理できた」という声がありました。
相談する人も、耳を傾ける人も、それぞれの気づきを持ち帰れるのがこの場の魅力です。

「やりたいことがあるけれど、どう動けばいいかわからない」
「まだ形になっていないけれど、思いを言葉にしてみたい」

そんな気持ちを抱えている方は、ぜひ一度、sees table に参加してみてください。
あなたの思いが、新しいつながりや次の行動へのてがかりになります。

▸ [sees table 詳細・お申し込みはこちらから]

お問い合わせ先:inadani sees 運営事務局
mail:incubation@inadani-sees.jp
tel:0265-95-6086(営業時間 9:00 ~ 18:00、日曜・祝日は閉館)

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